最近、80歳のおじが亡くなり、改めて葬儀、お墓にかかわることになりました
私自身も両親、ご先祖が鹿児島なので身近にお墓の問題を抱えることになります。
対策として最新のお墓事情について、色々と勉強させていただいています。
不動産の相続とオーバーラップする部分もあるため、
今回は、お墓の話をさせていただきます。
どこへ行っても話を聞くのが、「お墓の承継者不在リスク」。
「お子さまがいらっしゃらない方はもちろんですが、
お墓参りや管理料の支払いを負担に思うお子さまが、
お墓の承継を敬遠されるケースが結構ありまして・・・。
ウチなんかは、まだいい方ですが、交通のアクセスの悪いところや地方のお墓は、
もっと大変みたいで・・・」と、ある霊園の職員さん。
そんな話を聞きながら、私の脳裏に、
妻の実家の姫島の光景が呼び覚まされました。
2年前に帰省した時と比べ、明らかに空き家が増えていて、人口も1500人前後と
少子高齢化の波が確実に来ています
「あの家は、おじさんもおばさんも、しばらく前に亡くなったとは聞いていたけど、
息子さんたちはどうしているんだろうか・・・?」。
地方の不動産の相続の難しさを改めて痛感しております。
また、ある葬儀社主催の終活セミナーでは、
「私たちの世代で、不動産を積極的に相続したいと思う人は、
あまりいないと思います。やはり面倒ですから。
できれば売却してもらって、お金で相続したいですね」と歯切れよく解説。
多くの参加者の皆さん(60代~70代中心)が、
「うん、うん」と大きくうなずきながら聞き入っておられたのも印象的でした。
お墓の承継者不在リスクへの対策として、近年、代々承継することを前提としない、
さまざまな新しいタイプのお墓(埋葬方法)が登場していて、
人気を集めているそうです。
参考のなると思いますので以下、ご紹介させていただきます。
<永代供養墓>
10年ほど前までは、ほかの人の遺骨とともに1ヶ所に埋葬される
合祀(ごうし)タイプのものが多かったとのことですが、
最近は、契約時に定めた一定期間(3年、13年など)、
一般のお墓に個別安置した後、期間経過後に遺骨を取り出し、
墓石撤去工事を行った上で、合祀に切り換えるタイプが
主流となってきているようです(一定期間内のお墓の維持管理費、
墓石撤去の工事費用、合祀後の永代にわたる供養料は、購入価格に含まれています)。
中には、期間を区切らず、個別安置可能なタイプもあります。
<樹木葬>
墓石の代わりに樹木をシンボルとするお墓のことです。
樹木葬の定義は幅広く、さまざまなタイプがあります。
寺院所有の山林地など自然豊かな場所で、
自生している木や新たに植樹した木の下になどに埋葬する「里山型」は、
「自然に還る」というイメージに近いタイプです。
植樹したシンボルツリーの周りに小型のお墓や
ロッカー型の納骨壇などを配する「シンボルツリー型」、
四季折々の花が美しい西洋庭園風に整備された区画に埋葬する
「ガーデニング型」などは、都市型の樹木葬と言えます。
樹木葬は、永代供養プランがセットされていることが一般的です。
都市型の樹木葬の場合、一定期間遺骨を安置した後、
合祀するタイプが多くなっています
(期間を区切らず、安置可能なタイプもあります)。
<納骨堂>
屋内に遺骨を納める施設のことを言いますが、
最近は駅から近い便利な立地のものも多く、
天候を気にせずお参りできるというメリットもあります。
主に固定式(ロッカー式など)と自動搬送式の2タイプに分けられ、
自動搬送式では、ICカードで呼び出すと、遺骨を収蔵した「厨子(ずし)」が、
参拝ブースまで自動的に運ばれてきます。
お墓の承継者がいる間は、年間管理料を支払いながらお参りをしますが、
承継者不在となった後は、合祀の上、永代供養してもらえる場合が多くなっています。
<海洋散骨>
「お墓を持たない」という選択肢で、細かくパウダー化した遺骨を、
船の上から花びらなどとともに海面に撒く埋葬方法です。
船上で個人を偲び、見送るセレモニーとしての性格も強く、
「船上でのお葬式」ととらえることもできます。
すべての遺骨を散骨してしまうと、
お参りの対象や目に見える心の拠り所がなくなってしまうため、
遺骨の一部を手元に残し、
ミニ骨壺やペンダントなどに収蔵して手元供養を行う人もいます。
こうした新しいタイプのお墓(埋葬方法)は、少子高齢化、核家族化の進行に伴い、
お墓の承継者不在リスクが避けては通れない問題として顕在化し、
消費者の多様なニーズへの対応を迫られる中で、生み出されていった経緯があります。
ひと言で「永代供養墓」「樹木葬」と言ってもさまざまなタイプに
分類することができ、「日本のお墓の種類は、50種類以上に分類できる」と言う
業界関係者もいます。
少子高齢化、核家族化、地方の過疎化、相続人の価値観の多様化といった
社会構造の変化の中で、地方を中心に「相続したくない不動産」も増えています。
お墓同様、不動産の承継者不在リスクも今後ますますクローズアップされてくると
思われます。